Wilamowiceという田舎町
私がポーランド南部に位置するWilamowiceについての記事を書くきっかけとなったのは、この町の長い歴史と失いかけた伝統の保存と伝承、実際に行ってみて思ったことや感じたことを何か形に残したいと思ったためです。
そんなわけで、早速Wilamowicceについて簡潔に紹介していきたいと思います。
ポーランド南部のシレジア県にWilamowiceは位置しています。
この街へのアクセスは下記の通りです。
Warszawa Zachodnia ― Bielsko-Biała Główna:EIP(鉄道)で約4時間
Bielsko-Biała ー Wilamowice Kościół:105番のバスで約40分
この町の歴史は13世紀頃に遡ります。当時、ドイツ地域出身者がWilamowiceに多く入植しました(東方植民)。このような背景からWilamowiceで話されているWymysiöeryś (ドイツ語:Wilmesaurisch、英語:Wymysorys/Vilamowian、ポーランド語:Wilamowski)という言葉はドイツ語の一変種(ドイツ語系の言葉)とされています。ただ、現在この言葉を話せる人はごく少数に限られます。その理由は、第二次世界大戦以降Wymysiöeryśの使用が公的に禁止され、次世代への伝承がなされなかったためです。
しかし、2000年代以降に様々な分野の研究者が協力し、このWymysiöeryśを消滅の危機から守る活動、例えば、Wymysiöeryśの会話の記録、文化に関する文献や資料の収集、学校でのWymysiöeryśの教育などが実施されました。この結果、資料を容易に入手出来るようになり、また、Wymysiöeryśを流暢に話す若者も出始めました。
さらに、このWilamowiceの文化の象徴とされるものとして、お祭りなどの際に披露される民族舞踊や美しい衣装などが挙げられます。これらは長い伝統を持っています。ちなみに、ここで歌われる曲にはWymysiöeryśが使われているものも多くあります。
今回はざっくりとした紹介ですが、今後は『言語』、『歴史』、『文化』といった様々な面から少しずつこの町について書いていきたいと思います。